地域団体商標制度 とは
近年、地域産業の活性化や地域おこしの観点から、いわゆる「地域ブランド」に対する注目が高まっています。地域の自然的条件を活かした農林水産物や食品などの特産物、地域に歴史的な関連のある伝統工芸品、地域において提供される特色のあるサービスなど、地域ブランド化への取り組みは多岐にわたっています。複数の事業者が地域名を冠した共通のブランド名を用いることにより、他地域の商品・サービスとの差別化や付加価値の向上を図ろうとする動きが全国的に盛んになっています。
従来の商標制度では、こうした地域ブランドが商標権を得るためには全国的な知名度を得ることなどが要件とされ、商標法による保護が限定されていました。その結果、発展段階にある地域ブランドについては、他者による地域外の商品やサービス、あるいは品質の低い商品やサービスに同じブランド名を使用されることによる信頼の毀損などが生じることとなり、必ずしも関係事業者の期待に応えられていないという指摘がなされてきました。
このような認識の下、特許庁では、平成18年4月1日に施行された「商標法の一部を改正する法律」(平成17年法律第56号)により、地域団体商標制度を導入いたしました。
同制度は、地域ブランドが商標権を得るための基準を緩和し、事業協同組合や農業協同組合等の団体が商標を使用することにより、一定範囲の周知度を得た段階で地域団体商標として早期に権利獲得することを可能とするものです。 |
● 平成20年3月末日までに登録査定されたもののうち、生めん類の地域団体商標は3件です。
和歌山ラーメン (わかやまらーめん) |
商標登録 第5004520号 |
和歌山ラーメン
■権利者
和歌山県製麺協同組合
(和歌山県和歌山市島橋北ノ丁12番27号)
■商品・サービスの特徴
和歌山ラーメンは細めん22番ストレートです。スープはブームとなった豚骨醤油の井手系と醤油味の車庫前系に大別されます。麺とスープ共粗悪な製品を排除するため、組合員全員で高品質な小麦粉と専門店で使用出来る濃厚なとんこつ醤油スープを吟味し又製造技術を高める為の講習会を行いブランドイメージを高めることに努力します。 |
■指定商品又は指定役務
和歌山県産のスープ付き中華
そばのめん
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沖縄そば (おきなわそば) |
商標登録 第5008493号 |
沖縄そば
■権利者
沖縄生麺協同組合
(沖縄県那覇市字小禄1831番地1
沖縄産業支援センター203-3号室)
■商品・サービスの特徴
沖縄そばの麺の特徴は、小麦粉100%にかん水を使用している為、無機質のミネラルが多く含まれ、逆に他の麺類と比べて塩分と水分は少なめであることから独特の歯ごたえを持っていることです。
また、当組合では原料粉の共同購入事業をしており、沖縄そば専用粉を製粉メーカーと共同で研究、開発し、改良を重ねながらグレードの高い専用粉を組合員だけが使用して、現在、全国各地に出荷しております。 |
■指定商品又は指定役務
小麦粉を使用した沖縄県産の
そばのめん
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★ 活用事例のご紹介 ★ |
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伊勢うどん (いせうどん) |
商標登録 第5113864号 |
伊勢うどん
■権利者
三重県製麺協同組合
(三重県津市高野尾町4198番地)
■商品・サービスの特徴
溜まり醤油の濃いツユをからめて食べるのが「伊勢うどん」。初めて食べる人は、その容姿にギョッとするかも知れませんが、カツオや昆布のだしを使い見ためより味はまろやかです。伊勢うどん独特の太くてやわらかい麺は、溜まりのツユがからみやすく作られているからです。 |
■指定商品又は指定役務
三重県産のうどんのめん
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